忍者ブログ

The Storm Chaser

  
カテゴリー「局地 気象現象」の記事一覧

厚木の突風はガストネード?

昨日(2015年2月13日)神奈川県厚木市で発生した突風はガストネードである可能性があるそうです。気象台の調査結果が出ないと分かりませんので、仮定として書かせていただきます。

神奈川の突風は「ガストネード」か気象台が調査 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6149674

ガストネードはガストフロント(局地前線)の上昇気流が原因で発生する旋風です。竜巻とは似て非なるもので、メカニズム的には塵旋風(つむじ風)に似ています。見た目はつむじ風そのもので、漏斗雲がないのが特徴です。強度的にはそれほど強いものではなく、F0から強いものでもF1程度と言われています。ワタシ自身国内で見たことはなく、アメリカロケの際にカンザス州スコットシティ付近で見たことがあるだけです。発生当日、寒気の南下にともなう冷たい北風と暖かい西風が衝突、そこに局地前線が出来たことが原因だと報道されています。

ガストネード

カンザス州スコットシティ付近で撮影したガストネード。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

2014年 月別ベストチェイス

シーズンオフに入って2ヶ月が過ぎ、地元周辺は氷点下まで冷え込む季節になりました。今年はテレビの密着取材が入ったこともあり、例年よりも自由に動き回れないシーズンでした。そんな中でもそれなりに収穫があり、作品として成り立つものが何枚か撮れました。ハイシーズンである3月から9月までの追跡より、月別のベストチェイスを選びたいと思います。

3月は、春分の日、3月21日の風塵です。筑波山がスッポリ隠れてしまうような猛烈な風塵でした。全身砂まみれになりながら撮影しています。1週間経っても耳から砂が出てくる程でした。

風塵

冬型の気圧配置が強まり、20m/sを超える風が吹き荒れた。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

4月は、4月4日、寒気を伴う気圧の谷の通過により、関東地方で大荒れの天気になりました。埼玉県さいたま市では竜巻が発生、茨城県と栃木県の県境付近では降雹、漏斗雲が現れました。

漏斗雲

漏斗雲と光芒の共演、自然が作る造形の奥深さを感じる。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

5月は、5月9日、日本海を進んだ寒冷渦に向かって暖かく湿った風が吹き込んだ影響で、関東地方で荒れた天気になりました。東京や宇都宮で降雹、茨城県では落雷による停電が発生しました。

寒冷渦

荒れた海のような雲は、激しい対流が起こっている証し。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

6月は、6月14日、日本海を進んだ寒冷渦と梅雨前線などの影響により、局地的に積乱雲が発達、秋田県で突風被害が発生しました。茨城県西部では夕方にかけて回転を伴う壁雲が出現しました。

壁雲

夕陽に染まり回転する壁雲、美しさと恐ろしさは表裏一体。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

7月は、7月27日、寒冷前線の通過により北関東で大荒れの天気になりました。群馬県、栃木県を中心にガストフロントやダウンバーストによる被害が発生し、落雷による停電も発生しました。

寒冷前線

僅か1時間で通過した寒冷前線、その後は天気が回復した。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

8月は、8月20日、上空の寒気と日中の昇温により、北関東で積乱雲が発達しました。栃木県栃木市付近では、僅かな時間で気温が8℃以上も急降下、落雷と15m/s前後の強風が吹き荒れました。

熱雷

8月は雷が少なかったが、この日は雷銀座らしい激しさだ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

9月は、9月13日、寒気を伴う気圧の谷の影響により、東日本の広範囲で雷雨になりました。栃木県益子町では16時過ぎから激しい雷雨になり、茨城県筑西市では吹き下ろしの冷風とともにアーチ雲が出現しました。この日を最後に、2014年シーズンは終了しました。

アーチ雲

シーズン終了を告げる初秋の雷雨、盛期の勢いはもうない。© Yutaka Aoki. All rights reserved.





2014年シーズン、前半と後半のダイジェストムービー。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

壁雲 - Wall Cloud

壁雲(英:Wall Cloud)とは、発達した積乱雲の雲底に現れる低く垂れこめた雲のことです。回転する上昇気流域(英:Mesocyclone)が可視化した姿であり、スーパーセルに良く見られます。上昇気流域(無降水域)と下降気流域(降水域)の境目に形成され、北半球では反時計回りの回転を伴います。多くの場合、壁雲は数分で消滅してしまいますが、強い上昇気流で暖かく湿った空気が多く流入すると、10分以上持続することがあります。レーダーには降水強度の強い部分がアルファベットのC字型に映り、鉤状エコー(フックエコー)と呼ばれます。フックエコーが観測されると、気象庁より竜巻注意情報が発表されます。2012年5月6日に北関東で複数の竜巻が発生しましたが、その時もレーダーにフックエコーが映っています。気象庁HPに、当日のレーダー画像が掲載されていますので、参考にリンクを張っておきます。

*鉤状エコー http://www.jma.go.jp/jma/menu/tatsumaki-portal/radar.html(外部リンク)

壁雲

壁雲から漏斗雲がのび、竜巻へと成長することがある。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

高温多湿の条件下では、壁雲から下降気流域(降水域)に向かって尻尾のような雲がのびることがあり、これをテールクラウド(英:Tail Cloud)と呼びます。テールクラウドは壁雲の延長であり、基本的なメカニズムは壁雲と同じであると言われています。テールクラウドの定義は、壁雲と接続していることです。こちらも壁雲同様に数分で消滅することが多く、長時間見えている時は危険信号であると認識していいでしょう。

テールクラウド

壁雲から下降気流域に向かってのびるテールクラウド。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

写真家・青木豊

Yutaka Aoki
■ 北関東で嵐を追っています。


■ サイト運営を維持するため、
↑ クリックお願いします。

著作本の紹介

ストーム・チェイサー 夢と嵐を追い求めて
■ 著作本です!どうぞよろしく!

テレビ・ラジオ出演

WOWOW 映画工房
FMもおか MOKAでチョーのもおか
ウェザーニュースLiVE
茨城放送 だっぺ帝国の逆襲
フジテレビ とくダネ!
フジ 激撮!日本の緊急事態24時
ABC 雨上がりのAさんの話
BS-TBS こころふれあい紀行
TBS あさチャン!
埼玉発見バラエティ アマチアス
TOKYO FM Honda Smile Mission
茨城放送 MUSIC STATE
ラヂオつくば What tsukuba
TBS クレイジージャーニー
Weathernews SOLiVE24
ニッポン放送 上柳昌彦あさぼらけ
ラヂオつくば つくばミーティング
いばキラTV 週間いばスタ
ケーブルテレビ う・ら・ら 茨城
イバラキングのごじゃっぺラジオZ
茨城放送 スマイルスマイル plus i
ケーブルテレビ CC9ニュース
日本テレビ 沸騰ワード10
ラヂオつくば You've got 84.2
いばキラTV いばキラPeople
TBS アイ・アム・冒険少年
MBS 情熱大陸
BS朝日 ボクらの地球
NHKニュース おはよう日本
テレビ朝日 奇跡の地球物語
MBSラジオ 朝からてんコモリ!

写真展

2019年 荒ぶる空
茨城県つくば市 矢中の杜

2018年 空 / 日本の四季
埼玉県防災学習センター

2017年 夏の気象
埼玉県防災学習センター

2017年 カミナリとアート
群馬県立館林美術館

2015年 ストーム・チェイサー
茨城県つくば市 カフェリブロ

お問い合わせ

mail

各種取材、執筆、画像提供など、
メールにてお問い合わせ下さい。
当日~数日中に返信いたします。

著作権情報

記事の著作権は(写真・文章)
著作者の青木 豊が保有します。

Copyright © Yutaka Aoki.
All Rights Reserved.

写真・文章の無断転用は厳禁!
事前にお問い合わせください。

最新記事の購読

アーカイブ一覧


PR

Copyright © Yutaka Aoki. All Rights Reserved. /  Powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]