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The Storm Chaser

  

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。本年も体を張って荒天を撮影したいと思います。2013年のシーズンインは4月頃を予定しています。

日暈

新年最初の更新は、初春の慶びにぴったりの日暈(ハロ)を選んでみました。仏教において、彩雲(瑞雲)と並び、瑞相(良いことが起こる前兆・吉兆)のひとつと言われる日暈、太陽の周りに薄雲(巻層雲、巻積雲、巻雲)が掛かった際に、水晶により太陽光が屈折して光の輪が現れる現象です。それほど珍しい現象ではなく、季節を問わずに現れますが、5月・6月頃に頻繁に見られます。

気象学的に見ると、日暈(ハロ)は雨の前兆である。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

今年を象徴する1枚

2012年は気象災害の多い年でした。西日本では集中豪雨や雷多発、東日本では突風被害多発、そして台風の上陸も多い年でした。その中でも強烈に記憶に刻まれたのが、5月6日に北関東で発生した竜巻です。東日本大震災(つくば震度6弱、筑西・真岡震度6強)から1年が経ち、家の破損箇所も直してホッとしたところに国内最大級の竜巻です。そのダメージは計り知れません。辰年に竜巻の多発・・・変な因縁を感じてしまいます。

竜巻のニュースが流れる度に、メソサイクロンという言葉を耳にしたと思います。メソサイクロンとは、積乱雲に発生する気流の渦・回転を伴う循環構造のことです。コリオリの力により北半球では反時計回りの回転を伴い、降雨レーダーにはフックエコー(強雨域が鈎状に映る)が映ります。メソサイクロンの発生はスーパーセルの特徴でもあり、発生が確認されると竜巻注意情報が発表されます。目に見えて雲底が回転しているような時は、いつ竜巻やダウンバーストが発生してもおかしくない状況と言えます。

写真はメソサイクロンが可視化した姿です。ウォールクラウド(壁雲)が地上に向かって垂れ下がりながら、反時計回りに回転している状態です。2012年7月17日、広い範囲で梅雨明けした日、北関東では午後から大荒れになりました。竜巻注意情報も発表され、撮影地から30km離れた栃木県栃木市では、ダウンバースト(F0)の発生により怪我人も出ています。竜巻の発生が多発した今年を象徴する1枚として、メソサイクロンを選んでみました。

メソサイクロン

積乱雲に発生する気流の渦メソサイクロン、竜巻の卵だ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

2013年1月4日発売の月刊誌「都市問題」1月号にインタビュー記事と写真7点が掲載されます。論文とインタビュー記事で構成される専門誌なので、店頭にはほとんど並ばないと思われます。Amazonでバックナンバーを含めて取り扱っているようですが、在庫数は少ないようです。会員制データベース「日経テレコン」にもコンテンツ提供されるようなので、会員になられている方はそちらでもご覧いただけると思います。

(公財)後藤・安田記念東京都市研究所 http://www.timr.or.jp/

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

撮影機材の話

最近よく聞かれるのが「何か特殊な機材を使っているのですか?」ということ。結論から言えば、特に変わったものは使ってません。現在のメイン機種はPanasonic LUMIX G3というカメラ、いわゆるミラーレス一眼です(構造的には一眼レフでない)。もう1台はサブとして使っている、同じくミラーレス一眼のLUMIX GF2というカメラ。何れも中古品で格安に入手したカメラです。レンズは14mm/F2.5と14-42mm/F3.5-5.6の2本です。この機材で気象現象から日常のスナップまで、何でも撮影しています。2本のレンズにはレンズ保護フィルターを装着しています。Kenko MC PROTECTORという安価なフィルターです。画質を第一に考えると、フィルターは装着しない方が良いに決まっていますが、荒天時は、雨、雹、強風による埃など、レンズを傷める要素が沢山迫ってきます。レンズを傷めるより、フィルターを装着したほうが利口だという判断です。ただし、逆光での撮影時には面倒でも外しています。

以前はAPS-Cサイズのデジタル一眼レフを何台か乗り継ぎました。ストームチェイサーにとって、一番大事なことは、事が起きた時にその場に居ることです。APS-Cサイズの一眼レフでは、たとえコンパクトなエントリーモデルであっても常に持ち歩くことが苦痛になります。かと言ってコンパクトデジカメでは耐久性の問題、設定の自由度など、マイナス要素があります。そこで、その中間に位置するマイクロフォーサーズを選びました。小型軽量でありながら、一眼レフと同等の撮影機能が使えます。小型センサーゆえ、高感度の画質はAPS-Cサイズより劣ります。しかし、動画に関してはAFの抜けも少なく、こちらの方が一枚上手と言っていいと思います。何より、バリアングル液晶+ライブビュー撮影の快適さは、慣れてしまうとファインダーを覗くスタイルに戻れないほどです。

雷撮影時に、ライブビューの表示タイムラグがどのくらい影響するか心配していましたが、特に問題はありませんでした。LUMIX G3の場合、電子シャッター使用で20コマ/秒の高速連写が使えますが、CMOS電子シャッターではローリングシャッター現象が出てしまいます。動体撮影時の歪み、雷のような強い光源で画面に明暗差が出てしまいます。こんな写真は作例以外で全く使い物になりませんので、電子シャッターはNGです(下の写真参照)。

ローリングシャッター現象

ローリングシャッター現象が顕著に現れた例(明暗差)。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

撮影中に毎回苦労しているのがホワイトバランス(以下WB)です。基本的に雨や曇天での撮影になります。WBオートが基本ですが、どうしてもシアン系の色被りが多く、RAW+JPGで撮影して、RAW現像でWBを補正しています。RAW現像ソフトは市川ソフトラボラトリーSILKYPIXをVer.3より愛用しています。Ver.5になり、1枚の画像からHDR効果を得られるようになり、表現の幅が広がりました。そして、最近導入した機材がCBL LENSです。このツールを使用してWBの白セットを行うと、複雑な光源下でも自然な発色が得られます。まだまだ試用の段階ですが、人工の光源がある場合に威力を発揮するように思います。

愛機

メイン撮影機材のLUMIX G3+14-42mmとCBL LENS。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

ワタシが目指しているのは単なる状況写真や研究素材ではなく、作品として通用する気象写真です。来るべきシーズンに向けて、着々と準備を進めています。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

写真家・青木豊

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