以前、世界の雷三大多発地帯を記事にしたことがありますが、今回は日本の雷多発地帯をランキング形式で書いてみたいと思います。一般的に、雷日本一は栃木県と言われていますが、実際のところはどうなんでしょうか?年間の雷発生日数で上位10県を記してみます。
*2011年のデータ集計であり、順位は常に変動しています。端数は四捨五入しています。
■ 1位 石川県 年間雷日数、42日
■ 2位 福井県 年間雷日数、35日
■ 3位 新潟県 年間雷日数、35日
■ 4位 富山県 年間雷日数、32日
■ 5位 秋田県 年間雷日数、31日
■ 6位 熊本県 年間雷日数、27日
■ 7位 鳥取県 年間雷日数、26日
■ 8位 島根県 年間雷日数、25日
■ 9位 鹿児島県 年間雷日数、25日
■ 10位 栃木県 年間雷日数、25日
上記の通り日本海側の県が多数ランクインしています。意外なことに、雷都宇都宮で有名な栃木県は10位でした。他にも台風や梅雨前線の影響を受けやすい沖縄県もランク外、年間22日で15位でした。最も少ないのは北海道で年間9日です。雷が最も多く発生するのは8月で、地域別に見ると太平洋側が約6割、日本海側が約4割となっています。30年間の平均値(1971年~2000年)を見ても、東京11日、大阪15日、名古屋17日、宇都宮24日、札幌8日、仙台9日、広島13日、高知15日、福岡22日、鹿児島23日、那覇21日、新潟31日、金沢37日、やはり日本海側で多くなっています。
上位10位のうち、実に7県が日本海側に位置する県です。本州から九州では4月頃から10月頃に日射による熱雷の発生が多くなりますが、冬に雷が発生することはほとんどありません。一方日本海では、晩秋から冬に大陸からの冷たい北西風と対馬暖流の温度差により雷雲が発生します。日本海で雷が多発するのは11月頃から3月頃です。つまり日本海側では1年中雷が発生し、シーズンオフがないことがわかります。日本一の雷多発地帯は、秋田県から鳥取県までの日本海沿岸部、中でも北陸地方が飛び抜けて多くなっています。
雷で有名な北関東ですが、栃木県は年間25日で10位、群馬県は年間20日で17位、茨城県は年間17日で26位でした。理由は雷の発生が5月から8月に集中しているためで、冬期には全く発生しない月もあります。逆に考えれば、夏季のみのデータで集計すれば、北関東も上位に入ってくることになります。栃木県が雷日本一なのは夏季の熱雷に限った話であり、トータルの雷日数では、石川県が断トツの日本一でした。
参考資料、気象庁HP・雷の観測と統計。*関連記事・・・雷三大多発地帯
http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/14/*関連記事・・・Lightning Photography
http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/47/*関連記事・・・雷街道
http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/84/太平洋側は夏季に雷が集中し、冬期の発生はごく少ない。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
冬季雷の発生と同時に、冬の日本海では竜巻の発生数も多くなっています。内陸で発生するスーパーセルタイプの竜巻とは違い、海風前線や局地前線で発生する、非スーパーセルタイプの竜巻が多くなっています。冬季雷、非スーパーセルタイプの竜巻、豪雪、冬の日本海は独特の気象なんですね。冬季雷は日本海と北欧の一部でしか見られない、珍しい現象だと言われています。
*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。