2012年は気象災害の多い年でした。西日本では集中豪雨や雷多発、東日本では突風被害多発、そして台風の上陸も多い年でした。その中でも強烈に記憶に刻まれたのが、5月6日に北関東で発生した竜巻です。東日本大震災(つくば震度6弱、筑西・真岡震度6強)から1年が経ち、家の破損箇所も直してホッとしたところに国内最大級の竜巻です。そのダメージは計り知れません。辰年に竜巻の多発・・・変な因縁を感じてしまいます。
竜巻のニュースが流れる度に、メソサイクロンという言葉を耳にしたと思います。メソサイクロンとは、積乱雲に発生する気流の渦・回転を伴う循環構造のことです。コリオリの力により北半球では反時計回りの回転を伴い、降雨レーダーにはフックエコー(強雨域が鈎状に映る)が映ります。メソサイクロンの発生はスーパーセルの特徴でもあり、発生が確認されると竜巻注意情報が発表されます。目に見えて雲底が回転しているような時は、いつ竜巻やダウンバーストが発生してもおかしくない状況と言えます。
写真はメソサイクロンが可視化した姿です。ウォールクラウド(壁雲)が地上に向かって垂れ下がりながら、反時計回りに回転している状態です。2012年7月17日、広い範囲で梅雨明けした日、北関東では午後から大荒れになりました。竜巻注意情報も発表され、撮影地から30km離れた栃木県栃木市では、ダウンバースト(F0)の発生により怪我人も出ています。竜巻の発生が多発した今年を象徴する1枚として、メソサイクロンを選んでみました。
積乱雲に発生する気流の渦メソサイクロン、竜巻の卵だ。
© Yutaka Aoki. All rights reserved.2013年1月4日発売の月刊誌「都市問題」1月号にインタビュー記事と写真7点が掲載されます。論文とインタビュー記事で構成される専門誌なので、店頭にはほとんど並ばないと思われます。Amazonでバックナンバーを含めて取り扱っているようですが、在庫数は少ないようです。会員制データベース「日経テレコン」にもコンテンツ提供されるようなので、会員になられている方はそちらでもご覧いただけると思います。
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