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The Storm Chaser

  
カテゴリー「追跡レポート」の記事一覧

2013年7月11日のダウンバースト

2013年7月11日、北関東で昇温により大気の状態が不安定になり、昼過ぎから夕方にかけて局地的に激しい雷雨になりました。この数日、北関東を中心に落雷や突風による被害が相次いでおり、茨城県では11日までに5日連続で竜巻注意情報発表、地元茨城県筑西市では、6日連続で猛暑日を観測しています。7月7日~11日の動画リスト http://goo.gl/K7fUE



11日の18時過ぎ頃から茨城県と栃木県の県境付近で積乱雲が急発達、あっと言う間に大きなかなとこが見えるまでに成長しました。追跡の途中からハッキリとした雨脚が見えていたので、雲の下が大雨であることは容易に確認出来ました。撮影地に着き、三脚にカメラをセットした時点で既に目前まで迫っており、5分弱動画を撮影したところで車の中に避難しました。程なくして風が強まり、車が揺れるほどの水平風が吹き始めました。成長期から衰退期の積乱雲から噴出される、強い下降気流「ダウンバースト(マイクロバースト)」です。真横から叩きつける大粒の雨に雹もまじり、一時は辺りが真っ白で何も見えなくなりました。撮影終了後に帰宅すると、同一市内でも我が家の周辺は一滴の雨も降っておらず、道路が乾いていました。

雷雲

積乱雲

ダウンバースト

雨脚のことをRain Footと呼ぶ。チェイサーのスラングだ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*関連記事 「ダウンバースト - Downburst」http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/9/

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

2013年7月9日と10日の雷雨

2013年7月9日、10日、北関東で昇温により大気の状態が不安定になり、一部で積乱雲が発達しました。9日は夕方頃から埼玉県北部で積乱雲が発達、見事なかなとこ雲が現れました。かなとこ雲の接近に先駆けてガストフロントの通過も見られ、かなとこ部分には乳房雲も現れました。通過時には漏斗雲が現れ、一瞬身構えましたが、竜巻になることはありませんでした。

かなとこ雲

ガストフロント

漏斗雲

漏斗雲は伸びたり縮んだりしながら、約3分後に消滅した。© Yutaka Aoki. All rights reserved.



10日の夕方に茨城県南西部を通過した積乱雲は強烈でした。局地的に激しい雷雨になり、茨城県西部の古河市・筑西市では落雷により約7900世帯で停電し、一時は信号機も停止していました。JR水戸線も、落雷による信号機故障で一部が運休しています。栃木県さくら市では、文化財に指定されている古民家が落雷により全焼する被害も出ています。茨城県では7月10日までに、5日連続猛暑日、4日連続竜巻注意情報発表と、梅雨明け以降は北関東らしい天気が続いています。

雷雲

北関東では「雷が鳴ると豊作」そんなことわざがある。© Yutaka Aoki. All rights reserved.



10日に撮影した動画では、落雷の後に送電設備がショートするシーンが映っています。最初のシーン画面左下に注目して下さい。追跡シーンでは消えた信号機も映っています。9日の映像は全て屋外での撮影ですが、10日は雷雲の真っ只中に突入したため、全編車の中から撮影しています。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

2013年7月8日の雷雨と仰角45度

2013年7月8日、関東地方では各地で猛暑になり、前日に引き続き大気の状態が不安定になりました。北関東では昼頃から小さな雷雲がいくつも発生、夕方になると東京・埼玉方面で雷雲が発達しました。各地で大雨洪水警報や竜巻注意情報が発表され、東京と埼玉で落雷による事故が発生しています。茨城県南西部では東を除く三方向を雷雲に囲まれ、一時激しい雷雨になりました。ただ、雨は長く続かず、約1時間後には雲の切れ間に夕日が出て、東の空には虹が現れました。

写真は茨城県南西部より撮影したパノラマです。画面左、東京方面に見えたかなとこ雲の大きさが際立っており、雷雨が広範囲に広がっていることがわかります。真ん中は秩父方面から流れてきた積乱雲のかなとこ部分です。画面右にあるのは栃木県南部から流れてきた積乱雲です。

かなとこ雲

雷雲

虹

夕日

夕日と虹は追跡終了の合図、緊張感から解き放たれる瞬間。© Yutaka Aoki. All rights reserved.



8日は東京と埼玉で落雷事故が相次ぎました。高い木や電柱、送電鉄塔などには避雷範囲があり、高さ4m~30mの物体における避雷範囲は仰角45度と言われています。木の場合、側撃雷(二次的な放電)の可能性があるため4m以上、コンクリート製の電柱の場合は2m以上離れる必要があります。高さ30m以上の送電鉄塔の場合は仰角45度が通用せず、2m以上30m以内が避雷範囲になります。なお、高さ4m以内の物体には避雷範囲がありません。

避雷範囲にいれば100%安全という訳ではなく、何もないところに比べたら少しはマシと考えていた方がいいでしょう。安全なのは鉄筋コンクリート製の建物、内部を絶縁された金属の箱(自動車・電車など)です。私が雷撮影をする場合は、仰角45度内に駐車できる場所を探し、自動車内から撮影します。仰角45度+金属の箱、二重に安全対策を行なっています。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

写真家・青木豊

Yutaka Aoki
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