2013年3月2日、関東では前日に2年振りの春一番が吹いて気温が上がりましたが、一転して今日は冬型の気圧配置が強まり、西寄りの冷たい風が吹き荒れました。茨城県筑西市では15時に最大瞬間風速22.4m/sを観測しています。前夜に雨が降ったものの、昼近くなると地面が乾き、田園地帯では風塵が発生しました。風塵とともに塵旋風もあちこちで発生し、巻き上げられた土煙で数10m先も見えないような状況でした。風塵は春塵(しゅんじん)とも呼ばれ、春の季語になっています。春の風物詩とはいえ、少々厄介な現象です。
2013年3月2日、土埃が空気中に滞留して黄色く霞む。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
黄砂、火山灰、花粉などの飛散予測情報はありますが、風塵・塵旋風に関してはこれと言った情報がありません。発生が局地的で、風向きや乾燥の度合いにも影響されるため、監視・予測できないのが現状だと思います。風塵は黄砂や火山灰と同じく、大気塵象に分類されています。塵旋風は突風の一種として分類されており、英語ではDust Devil(ダストデビル)と呼ばれます。強度的にはF0にも満たず、直撃されても埃まみれになる程度です。
2013年3月2日、凄まじい風塵により視界を奪われる。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
撮影中はゴーグル、防塵マスク、ニットキャップで防御、それでも鼻や耳にまで埃が侵入してきます。体質により、呼吸器などの健康に影響することもあるので、要注意です。風塵の厄介なところは、家の中にも入ってくることです。我が家でも北側の窓枠周辺は土埃でザクザクです。駐車中の車も同様です。厄介な風塵ですが、被写体として見ると迫力があるので、悩ましい現象と言えるかもしれません。撮影機材の故障の原因にもなるため、撮影後のメンテナンスは念入りに行います。
21~25秒に右から画面を横切る塵旋風が映っている。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
3月は、冬の空気と春の空気が日本の上空で鬩ぎ合いをしている時期です。三寒四温とも言われるように、寒さと暖かさが交互にやって来ます。強い風も冬と春の鬩ぎ合いから生じています。2日から3日に掛けて、北海道で低気圧が発達し暴風雪をもたらしました。札幌管区気象台は、より具体的な警戒を呼び掛けるなど、改善点の検討をすることにしたそうです。
*関連記事・・・2013年2月24日の風塵
http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/67/*関連記事・・・ビルの谷間でつむじ風
http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/56/*高画質版の動画・・・Blowing Dust
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