今シーズン1発目のストームチェイスは、「風塵(ふうじん)」です。2013年2月23日から24日にかけて、いわゆる西高東低、冬型の気圧配置が強まり季節風(北西風)が吹き荒れました。日本海側では大荒れで、青森県の酸ヶ湯では2月24日15時の積雪が521cmとなっています。
北関東でも乾いた強風が吹き、茨城県筑西市では14時20分に最大瞬間風速21.4m/sの非常に強い風を観測しています。風速15m/sを超えると、風に向かって歩く時に前傾姿勢をとらないとバランスを崩して転倒することがあります。田畑の広がる地域では、強い風に巻き上げられた土埃で視程を遮られる風塵が発生しています。ある意味、風塵や塵旋風はこの時期の風物詩、冬から春になる頃に良く見られる現象です。これから三寒四温を経て、春がやってくるのでしょう。
*風塵(ふうじん)・・・強風で巻き上げられた塵や埃が空気中に滞留し、黄色く霞んで見える。
撮影時はゴーグルと防塵マスクを使用していますが、それでもちょっとした隙間から土埃が侵入してきます。口の中や鼻の穴は埃まみれ、カメラも同様で、バッテリー室にまで埃が侵入していました。このような状況でデジタル機器を使うのは勇気が要ります。故障の原因にならないように、ブロアで埃を飛ばした後、カメラクロスで隅々まで拭き取ってやりました。
栃木県宇都宮市では、塵旋風の発生により駐車中の車のガラスが割れるなど、車9台に被害が出ています。塵旋風(つむじ風)は地表付近で発生する上昇気流の渦で、強い横風が加わると塵や埃を巻き上げて上空数10mまで立ち上がり、稀に被害をもたらすことがあります。
2013年2月24日、強風で巻き上げられた土埃で風塵が発生。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
2013年2月24日、道路を横切る風塵。住宅地にも迫る土埃。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
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