2011年7月19日、台風6号が接近中。暖かく湿った空気が流れ込み、関東でも雨雲が発達しました。朝から雷鳴が聞こえたため、朝食も摂らず、髭も剃らず、時間が許す限り撮影をしてきました。南西方向から次々と対流雲が流れてきます。稲光は見えませんが雷鳴は引っ切り無しに聞こえます。まだ台風本体の影響はなく、7月19日午前7時の時点で南東の風3m/sでした。
2011年7月19日、アーチ雲先端に発生した渦。気流が不安定。
© Yutaka Aoki. All rights reserved.アーチ雲の先端部分ではこぶ状の雲が渦を巻いていました。漏斗雲と判断できるか否か微妙なところですが、こぶの周辺で断片雲が不規則に動いていました。
こちらが「アーチ雲」です。ガストフロントが発生した際に、前線の最前面に形成される雲です。アーチ雲にも種類があり、ボーダー状に雲が重なっているものをシェルフクラウド(棚雲)と呼び、ねじりん棒の様な形をしているものをロールクラウド(ロール雲)と呼びます。下の写真は棚雲です。
*関連時期 「ガストフロント - Gust Front」
http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/7/2011年7月19日、アーチ雲通過時には急に風雨が強まる。
© Yutaka Aoki. All rights reserved.シェルフクラウド(棚雲)は寒冷前線最前面に形成され、積乱雲の雲底に付随する副変種です。一方、ロールクラウド(ロール雲)は、海風と陸風の衝突により形成され、沿岸部に現れます。早朝に現れることが多いため、モーニンググローリーとも呼ばれています。
台風接近に伴い、局地現象が発生する恐れがあります。1999年9月24日に愛知県豊橋市で発生したF3の竜巻は、台風18号の接近に伴い発生しています。当日、豊橋市、豊川市にて、合計4個の竜巻が発生し、多数の被害を出しています。
*関連記事 「国内最大級はF3」
http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/2/2011年7月19日、強弱をつけて断続的に降り続く雨。
© Yutaka Aoki. All rights reserved.地元筑西市では朝から断続的に雨が降り続き、15時30分に土砂災害警戒情報が発表されました。17時20分に解除されましたが、現在も雨が降り続いており、引き続き警戒が必要の様です。直撃しないからと油断は禁物。台風外側の雲が掛かっただけでも、大きな被害が予想されます。常に最新の情報を得て、接近に備えたいですね。下記のリンクを活用してください。
*気象庁 台風情報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/110624.html(外部リンク)
*米海軍研究所 海洋気象学部門
http://www.nrlmry.navy.mil/TC.html(外部リンク)
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