ゲリラ豪雨とは、民間気象会社やマスコミにより広げられた、天気図上で予測が難しい局地的大雨を表す俗語です。紛争地域を思わせる言葉に賛否両論ありますが、老若男女を問わず広く注意を促す意味では貢献していると思います。一部で違う言葉に置き換える動きも出ていますが、これだけ浸透している言葉を、今更置き換える必要はない思います。
ゲリラ豪雨に気象学的な定義はなく、判断が難しいところですが、何らかの原因で大気の状態が不安定になった時、急発達した積乱雲によりもたらされる、突発的な大雨が当てはまります。予測が難しいという前置きがあるため、低気圧の接近など、明確な原因がある場合にはゲリラ豪雨と呼びません。ゲリラの意味が示す通り、予測不能の奇襲攻撃的な大雨と考えていいと思います。
アスファルトで固められ、水はけの悪い都市は短時間の大雨に弱く、東京では1時間に50mmを超える雨が降ると、排水機能が間に合わなくなります。1999年7月21にに発生した「練馬豪雨」では、15時から16時の1時間に100mmを超える雨が降り、地下室への浸水で1名の方が亡くなられています。ゲリラ豪雨は、地下の浸水や、アンダーパス(掘り下げ式道路)の冠水など、都市型水害をもたらす原因にもなっています。
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類似する言葉に「夕立」がありますが、気象庁HPによると、夏季のみに用いる雨に関する用語と説明されています。また、夕立は夏の季語にもなっており、風流な印象を受けます。ゲリラ豪雨は凶悪な印象があり、注意を促す言葉として、非常に力があると思います。
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