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The Storm Chaser

  

雷三日

梅雨に入ってもあまり雨が降らない北関東です。梅雨前線が南に停滞しているため、梅雨らしい雨は今のところほとんどありません。前線が北上してこないため上空には寒気が居座り、日中の昇温と相まって局地的に積乱雲が発達、雷をともない短時間にザーッと降る雨が3日続きました。15日夕方には、群馬県伊勢崎市でダウンバーストと見られる突風(F1)が発生し、大きな被害が出ています。*関連記事・ダウンバースト http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/9/

北関東は雷が多く、同時に突風が発生することも多い土地柄です。特に利根川沿いに進んでくる赤城雷、日光例幣使街道に沿って進んでくる日光雷は暴れん坊です。この界隈には雷電神社や火雷神社が多く、昔から雷の被害が多い土地であることがわかります。伊勢崎は利根川の流域に位置し、日光例幣使街道の宿場があった街です。雷の通り道に当たるため、毎年のように竜巻、ダウンバースト、ガストフロントなどの突風被害が発生する土地柄なのです。

*気象庁機動調査班による現地調査の報告 http://goo.gl/EQJg3i(外部リンク・PDF)。

積乱雲

積乱雲

積乱雲

6月17日は、午前中からいくつもの積乱雲が発生し、短時間にザーッと雨を降らせました。数キロ走ると日が差し、また数キロ走ると雨、そんな状況でめまぐるしく変わる空模様でした。18日から19日にかけて梅雨前線が北上し、北関東も梅雨空になりそうですが、その後は再び前線が南下しそうで、上空の寒気や日中の昇温で局地的に雷雨が発生しそうです。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

影響を受けた3人の写真家

関東甲信も梅雨入りしました。いよいよ本格的な雨のシーズンがやって来ます。4月5月の北関東は少雨傾向で、野菜が高騰したり、湿地が干上がったりと、影響が出始めていたところです。鬱陶しい梅雨も自然にとっては必要なもの、災害が起こらない程度に大地を潤して欲しいと思います。

*地元ケーブルテレビの取材を受けました。対象地域外からでもネットで見ることが出来ます。
う・ら・ら 茨城 http://ulala-tv.jp/broadcast/?p=912

スーパーセル



表現の世界への入口は、先駆者達に憧れ、真似をするところから始まります。例えば音楽、90年代プログレッシブ・メタルの雄「Dream Theater」は、カナダのプログレッシブ・ハードロックバンド「Rush」から多大な影響を受けていることは有名です。ワタシもラッシュとドリーム・シアターが大好きで、追跡中にPermanent WavesやImages & Wordsを良く聴いています。さて、ワタシが荒天の写真を撮り始めた頃、多大な影響を受けた3人の写真家がいます。3人とも、写真家・ストームチェイサーの肩書も持つ、その道の先駆者達です。

落雷

1人目はMike Hollingshead氏。ナショナルジオグラフィックの表紙も飾り、荒天をアートに昇華させた写真家です。氏が撮ったスーパーセルや雷の写真は凄いのひとこと。この方は荒天だけにこだわらず、渡り鳥や自然風景、大気光象なども多く撮影しています。

2人目はJim Reed氏。自然災害撮影のスペシャリストで、オバマ大統領の気候変動対策コンサルタントの1人として、ホワイトハウスにも招かれています。常に美を追求することで知られていて、景観の一部としてとらえた荒天は映画のワンシーンのようです。

3人目はWarren Faidley氏。世界ではじめてプロのストームチェイサーになった方です。雷写真の専門家としても有名で、石油タンクに落ちる雷の写真はあまりにも有名です。少年時代はダストデビル(塵旋風)に自転車で突進するのが好きだったそうです。

3人の写真を初めて見た時、いかにも大陸的な派手で骨太な写真だなという印象でした。日本人の感覚だと、階調を重視した緻密で線の細い写真が好まれますが、それとは対局にある作風でした。しかし、なんとも言えない魅力を感じたのも確かです。とかく地味になりがちな荒天を、アートにまで昇華させるのはこういうことかと感じました。3人の偉大な先駆者達は、それまでワタシが持っていた写真の概念を、いとも簡単にぶち壊すほどの影響力があったのです。ワタシから見ると、3人とも雲の上の存在ですが、目標としてずっと追い続けたい写真家なのです。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

トルネードアレイの文化

世界一の竜巻多発国、北アメリカ。全世界で発生する竜巻の8割は北アメリカで発生しています。その中でもロッキー山脈の西側、アメリカ中西部に位置するプレーリーと呼ばれる温帯草原地帯はトルネードアレイ(竜巻街道)とも呼ばれ、竜巻発生のシーズン(4月~6月頃)になると全米各地からストームチェイサーが集まります。元々はオクラホマ大学の竜巻研究チームの名称だったストームチェイサーですが、現在では裾野が広がり、映画やテレビ、観光業にまで進出しており、アメリカンカルチャーとして定着しています。

トルネードアレイ

高緯度の夕暮れ

追いかける対象が気象現象ですから、科学的な裏付けは重要です。ですが、私のような映像屋の場合、文化的にアプローチすることも魅力に感じます。トルネードアレイは世界一の竜巻多発地域であると同時に、世界でも屈指の穀倉地帯です。麦、トウモロコシ、大豆などの生産が盛んですし、白米の代わりに牛肉を食べる民族ですから、肉牛の放牧も盛んです。麦の成長には大量の水が必要なため、土壌が良く積乱雲が発達しやすいこの地域が生産に適しているのでしょう。日本でも、雷が落ちた田んぼは豊作ということわざがあるくらい、農業と気象には深い関わりがあります。

スーパーセル

スーパーセル

農業や牧畜が盛んな地域ですから、当然それらの仕事に就く人が多く、走っている車はピックアップトラック、働く男性のスタイルはTシャツにジーンズ、足元はワークブーツと、日本で言うところのアメカジが主流です。働く男を支えるワークウェアですが、日本でもお馴染みのワークウェアブランドの多くはトルネードアレイで生れています。ワークパンツでお馴染みのDickiesはテキサス、ジーンズでお馴染みのLeeはカンザス、オーバーオールでお馴染みのROUND HOUSEはオクラホマ、これらのブランドは、アメリカ中西部、トルネードアレイが発祥の地です。



映像屋として、単に記録するだけなら科学的なアプローチでいいと思いますが、作品性も加えたいと思うなら、その土地の特色を知り、文化的なアプローチをすることも必要になると思います。そんな訳で、トルネードアレイの文化のひとつ、ワークウェアについて綴ってみました。



・5月20日発売の日本カメラ6月号にカンザスのスーパーセルが掲載されています(78~79P)。
・茨城県つくば市の趙家キムチ・白飯屋さんで、写真(9枚)を展示していただきました。
・ケーブルテレビ(CC9)の番組、う・ら・らに出演します。6月8日から1週間放送されます。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

写真家・青木豊

Yutaka Aoki
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2018年 空 / 日本の四季
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2017年 夏の気象
埼玉県防災学習センター

2017年 カミナリとアート
群馬県立館林美術館

2015年 ストーム・チェイサー
茨城県つくば市 カフェリブロ

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