記録的短時間大雨情報(*以下気象庁HPより引用)、
数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測(地上の雨量計による観測)したり、解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析)したときに、府県気象情報の一種として発表します。その基準は、1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考に、概ね府県予報区ごとに決めています。発表された例として、2011年8月11日、この日は午前中より気温がグングン上昇、茨城県内では南部の土浦市で37.4℃、西端の古河市で37.3度を観測、著しい昇温により午後になって大気の状態が不安定になりました。栃木県、群馬県で発生した複数の積乱雲が発達しながら茨城県を通過し、県南部を中心に激しい雷雨になっています。水戸地方気象台は、茨城県内に記録的短時間大雨情報・竜巻注意情報・土砂災害警戒情報を発表、JR常磐線は規定値を越える雨量のため一部運休に、石岡市では落雷による火災が発生しています。県内で最も雨量が多かったのは石岡市柿岡で、115m/hの猛烈な雨を観測しています。
当日、私は茨城県南西部の筑西市から下妻市周辺で積乱雲の通過を取材しており、積乱雲の雲底に渦巻くウォールクラウド(壁雲)とガストフロントの発生を確認しています。その後も積乱雲は発達を続け、南東方向に進んで行きました。記録的短時間大雨情報は、数年に1回程度の記録的大雨が観測された時に、より一層の警戒を呼びかけるために発表される情報です。都道府県により基準となる時間雨量(60m/h~120m/h)が定められており、茨城県の基準は100m/hです。
激しい下降気流により、ガストフロントが発生した。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
これから梅雨に入り、雨の多い季節になります。自然災害に備えるためには、まず正確な情報を得ることです。そのためには情報の意味をきちんと理解しないといけません。その上で五感を研ぎ澄まし、小さな変化も見逃さないようにすることが大事です。
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