なぜあなたは荒天を追うのですか?取材を受ける時に必ず聞かれる質問です。学術的な理由はありません。相手は自然現象、待っていてもこちらに来てくれないから追うんです。野生動物を撮るためにジャングルに入る人、汽車を撮るために線路端に行く人、魚を撮るために海に潜る人、撮影対象が違うだけで皆同じなんですよ。普通に生活していれば、竜巻やダウンバーストなんて一生のうちに何度も遭遇するものじゃありません。ですが、積乱雲の下をウロウロしていれば遭遇する確率はグーンと上がるんです。自分が求める被写体に出会うため荒天を追っているのです。
探究心は常に持っていますが、使命感はありません。なにも世のため人のために撮影している訳ではなく、たまたま荒ぶる空に魅せられてしまっただけなんです。雲ひとつ無い青空に全く魅力は感じませんが、そこに入道雲が浮かんでいたらカッコイイじゃないですか!それが答えです。
青空に浮かぶ入道雲は、大好きなシーンのひとつだ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
今年で7年目のシーズンに入りました。我ながら良く続いていると感心します。ストームチェイサーとして活動するために特別な資格は要りませんし、自ら宣言すれば誰でもなれるのです。必要な物は撮影機材と移動のための車、発信するための手段、ほんの少しの知識です。大事なことは継続すること、一度だけならまぐれ当たりでも撮影できます。年間を通して記録し続け、怪我なく無事にシーズンを終えることが大事です。地道に発信していれば、いつか夢はかないます。
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