知っていても日常生活ではあまり約に立たない、ストームチェイサーの雑学を書きたいと思います。シーズンオフの息抜きと思って気楽に読んでいただければ幸いです。
*夏は太平洋側、冬は日本海側で雷が多い訳
季節風が影響しています。夏は南東方向の風が吹き、太平洋側の内陸で雷が多発します。冬は北西方向から風が吹き、日本海側の沿岸部で雷が多くなります。
*雷が光ってから音が鳴るまでの時間差で大凡の距離を知る
気温15℃の場合、音の速さは340m/sです。例えば稲妻が光ってから5秒後に雷鳴が聞こえたら、5秒×340m=1,700mになります。つまり、約1.7km先に落雷があったと言うことです。音の速さは温度の変化1℃毎に0.6m/s増減します。気温18℃の場合は0.6×3=1.8、約342m/sになります。打ち上げ花火にも同じことが当てはまるため、知っていれば撮影時のレンズ選択に役立ちます。
*CMOS電子シャッターでローリングシャッター現象が発生
CMOS電子シャッターで雷を撮影すると、画像の一部が欠けたり、明暗差が出たりすることがあります。センサーの配列によるもので、CMOSの場合、ライン露光順次読み出しのため、雷のような瞬間的に強い光を発するものを撮影すると、露光タイミングのズレが生じてしまうことがあり、画像の明暗差となって現れます。それがローリングシャッター現象です。スマートフォンや高速連写を売りにしているコンパクトデジカメなど、CMOS電子シャッター採用のデジカメで顕著に現れます。明暗差以外にも、動くものを撮影すると歪みが出ることもあります。
ローリングシャッター現象により露光のズレが出た例。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
*Fスケール(藤田スケール)は実測値ではなく推定風速
竜巻の強度を表すFスケール、F0~F5まで等級ごとに風速が設定されていますが、これらは実測値ではなく、被害状況から判断した推定風速です。あくまで推定なので、実測値はわかりません。F2と推定されている竜巻が実際にはF3なのかもしれませんし、その逆もある訳です。また、1999年米オクラホマで、非公式ながらF6(最大風速142m/s以上)の竜巻が観測されています。
*風速を時速に換算する
風速を時速に換算するには、風速×3.6=時速になります。風速15m/sを時速に換算すると、15×3.6=54、時速54kmになります。時速54kmで走行中の車の屋根に立っている状態と同等ですので、風速15m/sはバランスを崩して転倒するくらいの強風と言えます。
春の嵐、寒冷前線の通過により突風が吹き荒れる様子。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
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