ケルビンヘルムホルツ波(Kelvin-Helmholtz Wave)、物理学者、ケルヴィン卿ウィリアム・トムソン(英)とヘルマン・フォン・ヘルムホルツ(独)に因みます。流体力学上の概念で、2つの異なる流体層が接する境界面で起こる波動を表しています。もっと簡単に説明すると、異なる風速が接する境界面、密度の違う流体の境界面で起こる波動です。
ケルビンヘルムホルツ波により、波頭が横一列に並んだような雲、波雲が現れます。国際雲図帳の10基本形・14種・9変種・9副変種に属しておらず、その他の雲として分類されています。年間を通して出現しますが、台風の前後や、冬型の気圧配置が強まった時などに出現率が上がります。ごく短い時間で形が崩れてしまうため、気付いた時に即撮影しないとすぐに消滅してしまいます。出現率が低い上に現れても気付かないことが多く、希少価値の高い雲と言えるでしょう。
ケルビンヘルムホルツ波をモチーフにしたデザインも多く、QUIKSILVERのロゴに使用されています。葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、海面に生じたケルビンヘルムホルツ波を描いたものです。
2011年9月18日 台風15号・16号の影響で波雲が現れた。
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