ここ数日、停滞する前線の影響でスッキリしない空模様が続いている北関東です。今朝は最低気温が19℃台まで下がり、少々肌寒いくらいでした。先週までの猛暑が信じられないくらいで、何となく夏の終わりを感じる今日このごろです。
さて、8月24日の夜に放送された「情熱大陸」、多くの方々に見ていただき、本当にありがとうございました。気象災害が続いた直後の放送で、批判対象になることも覚悟していましたが、逆に暖かいメッセージを沢山頂き、感謝!感謝!の日々を送っています。昨年夏に放送された「奇跡の地球物語」の撮影が終了した直後に情熱のお話をいただき、それから1年以上も密着取材は続きました。日常生活をさらすのは勿論のこと、撮影対象が天気だけに、思い通りにことが運ばない焦りもありました。予告が放送された後も撮影は続き、放送日の4日前まで撮影は続きました。無事に放送できたことが何より嬉しく、やっと肩の荷が下りた気分です。撮影クルーの皆様、ご協力いただいた皆様、放送を見てくださった皆様、ありがとうございました!
放送日の4日前に、栃木県栃木市で撮影した落雷の様子。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
5月末から6月初めにかけてアメリカ取材を行いました。オクラホマ、カンザス、ネブラスカ、コロラド、ワイオミング、サウスダコタ、ノースダコタ、モンタナ、6日間の走行距離は4200km以上です。現在、アメリカには数千人のストームチェイサーが居ると言われています。その道だけで生計を立てるプロのチェイサー、ワタシのようにアルバイトをしながらチェイスする兼業チェイサー、休日のみチェイスするサンデーチェイサー、大きく分けると3つになります。プロとして活躍するチェイサーは全体の1割にも満たない数で、ほんの一握りの人だけです。
今回、チェイスに同行していただいたトニー・ロウバック氏も数少ないプロのチェイサーです。昨年エルリーノで亡くなられたティム・サマラス氏のチーム、TWISTEXの一員だった方です。彼はHail Storm(降雹)の追跡に長けており、雹が与える農業被害を減らすために、活動を続けていると言っていました。そして、とにかく仕事が速い!同業者に先を越されないよう、車に搭載したPCで素早く編集しテレビ局に送ります。通常、映像1本につき250~500$で取引され、竜巻の映像は1,000$だそう。複数のテレビ局が使用すれば、かなりの額になりますね。ちなみに、竜巻が撮影できた日のディナーはステーキだそうです。
追跡を終えてインタビューに応じるトニー・ロウバック氏。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
追跡以外にも、シビアストーム予報の現場も取材させていただきました。オクラホマ大学内にある、ナショナルウェザーセンターです。こちらでは観測車両を見せていただいたり、気象研究者さんのお話を聞くことができました。竜巻の研究をされている研究者さんのお話を聞いたところ、映画ツイスターの世界観そのものでした。竜巻を目の前にしても動じないよう、特殊な訓練を受けて観測するのだそうです。観測したデータを3D化したものを見せていただきましたが、渦がある場所もハッキリとわかりました。このような研究のお陰で、早期警報が可能になったんですね。
まだまだ書きたいことは沢山ありますが、長くなってしまうためこのへんで〆たいと思います。残り僅かな2014年シーズン、ベストショットを更新できるような1枚を求めて頑張ります!
ツイスターでお馴染みの、牛が竜巻で飛ばされるシーン。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
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