2014年8月10日、台風11号(ハーロン:命名ベトナム)の影響により、関東甲信地方では大気の状態が不安定になりました。台風の進路東側、特に北東側には暖かく湿った空気が大量に流れ込み、台風本体から離れていても荒れた天気になることがあります。8月9日夜より関東甲信地方では強い降水エコーが見られ、翌8月10日午前中には南北にのびる線状エコーが複数見られました。11時30分頃には栃木県栃木市、壬生町、鹿沼市で竜巻(F1)が発生し、2名が軽傷、住宅や納屋など470棟以上に被害が出ています。被害範囲は栃木市から鹿沼市にかけて15kmに及び(幅600m)、農業被害額は1億8300万円に上ります。その他、栃木県内では落雷による停電も発生しています。
*宇都宮地方気象台による現地調査報告(外部リンク/PDFファイル)
http://goo.gl/1iOA2D下に掲載している写真の撮影時間(13時20分頃)は竜巻発生の時間と異なるため、今回の竜巻とは別物です。こちらは栃木市と隣接する下野市で撮影、雲底が渦巻きながら漏斗状の雲が垂れ下がっていたので、極めて不安定な状態だったことは間違いありません。
下野市付近でとらえた線状降水帯。雲底に渦も見える。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
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