2014年7月18日、上空の寒気と暖かく湿った空気、停滞する梅雨前線の影響により大気の状態が不安定になりました。栃木県南東部と茨城県西部が接するあたりでは午後に激しい雷雨となり、積乱雲本体の接近に先駆けてガストフロントが通過していきました。ガストフロントは積乱雲から吹き降ろす冷気と、周囲にある暖かい空気が打つかったところに出来る局地的な寒冷前線です。前線上にはアーチ状にのびる雲が現れ、通過の際には突風などの激しい現象が伴います。通過後には積乱雲本体が迫り、間髪入れずに土砂降りになります。
前線上に現れたアーチ雲。4枚コンポジットのパノラマ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
翌19日、前日よりも強い寒気が流れ込みました。下層の暖かく湿った空気の影響もあり、全国的に荒れた天気になりました。午後になり北関東でも雨雲が発達、栃木県南東部の真岡市付近でガストフロントが発生しました。落雷は少なかったものの、一時前が見えないほどの土砂降りになりました。この日も頭上を通過するガストフロントを撮影、前日にも増して見事なアーチ雲でした。
アーチ雲の観測・撮影は、細心の注意をはらい自己責任で。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
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