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The Storm Chaser

  
カテゴリー「追跡レポート」の記事一覧

2013年7月8日の雷雨と仰角45度

2013年7月8日、関東地方では各地で猛暑になり、前日に引き続き大気の状態が不安定になりました。北関東では昼頃から小さな雷雲がいくつも発生、夕方になると東京・埼玉方面で雷雲が発達しました。各地で大雨洪水警報や竜巻注意情報が発表され、東京と埼玉で落雷による事故が発生しています。茨城県南西部では東を除く三方向を雷雲に囲まれ、一時激しい雷雨になりました。ただ、雨は長く続かず、約1時間後には雲の切れ間に夕日が出て、東の空には虹が現れました。

写真は茨城県南西部より撮影したパノラマです。画面左、東京方面に見えたかなとこ雲の大きさが際立っており、雷雨が広範囲に広がっていることがわかります。真ん中は秩父方面から流れてきた積乱雲のかなとこ部分です。画面右にあるのは栃木県南部から流れてきた積乱雲です。

かなとこ雲

雷雲

虹

夕日

夕日と虹は追跡終了の合図、緊張感から解き放たれる瞬間。© Yutaka Aoki. All rights reserved.



8日は東京と埼玉で落雷事故が相次ぎました。高い木や電柱、送電鉄塔などには避雷範囲があり、高さ4m~30mの物体における避雷範囲は仰角45度と言われています。木の場合、側撃雷(二次的な放電)の可能性があるため4m以上、コンクリート製の電柱の場合は2m以上離れる必要があります。高さ30m以上の送電鉄塔の場合は仰角45度が通用せず、2m以上30m以内が避雷範囲になります。なお、高さ4m以内の物体には避雷範囲がありません。

避雷範囲にいれば100%安全という訳ではなく、何もないところに比べたら少しはマシと考えていた方がいいでしょう。安全なのは鉄筋コンクリート製の建物、内部を絶縁された金属の箱(自動車・電車など)です。私が雷撮影をする場合は、仰角45度内に駐車できる場所を探し、自動車内から撮影します。仰角45度+金属の箱、二重に安全対策を行なっています。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

2013年7月7日 七夕の雷雨

2013年7月7日、前日の6日に関東甲信地方で梅雨明けの発表がありました。梅雨明け10日とも言われるように、各地で気温が上がり猛暑日を記録しています。地元、茨城県筑西市では6日が35.8度、7日が35.3度、8日が36度と、3日連続で猛暑日となっています。7日の午後には昇温により大気の状態が不安定になり、北関東3県を横断するかたちで激しい雷雨になりました。広い範囲で竜巻注意情報が発表され、栃木県宇都宮市では突風により公民館の屋根が飛ばされる被害が、茨城県水戸市では落雷による停電が発生しています。

7日当日、茨城県南西部より栃木県南東部に掛けて追跡を行いました。積乱雲の姿が近づくに連れて風が強くなり、栃木県に入った頃には強烈な冷気外出流で、運転中にハンドルを取られるほどでした。撮影地に到着すると、強風で巻き上げられた埃が舞っています。冷たい風がビュービュー吹き、稲がザワザワと音を立てていました。冷気外出流の噴出がしばらく続いた後、積雲の列が形成され、特大のアーチ雲が現れました。積乱雲から噴出する冷たい空気が周辺の温かい空気とぶつかると、比重の軽い暖かい空気は冷たい空気の上に乗り上げる形で上昇気流となり、局地的な前線(ガストフロント)が発生します。

壁雲

アーチ雲

アーチ雲

ガストフロント

アーチ雲の通過時は風が強まるため、注意が必要だ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.



新機材、吸着式車載マウントを導入しました。オリジナルのままでは使い勝手が悪いため、少々手を加えています。デビュー戦となる今回は、フロントガラスの視界を妨げない位置に装着し、自動車での追跡シーンを記録しています。自動車内でのバルブ撮影にも使えそうで、工夫次第で様々な用途に利用できそうです。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

2013年6月22日の追跡

2013年6月22日、上空に流れ込んだ寒気と日射による昇温の影響で、北関東を中心に不安定な空模様になりました。昼前から栃木県北部で積乱雲が発達、午後になって雲が広範囲に広がり、四方八方どこを見ても積乱雲という状態になりました。14時46分から15時02分に掛けて、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県、埼玉県に、竜巻注意情報が発表されました。

当日、塔状雲が見え始めた11時過ぎから追跡開始、栃木県と茨城県の県境を跨いで、5時間に渡り2つの積乱雲を追跡しました。栃木県小山市で撮影を開始して間もなく、北西方向より遠雷が聞こえて来ました。低く垂れ込める積乱雲に、周囲の積雲が次々に吸収されていきます。バタバタと音を立てて大粒の雨が落ちてきたところで、雲の進行方向である南東方向へ移動しました。県境を超えて茨城県に入った頃には雨は本降りに、雨のエリアを突き抜けた先で積乱雲を待ち構えます。

土砂降りの中で撮影していたところ、カメラにトラブルが発生、オートフォーカス(以下AF)が不動になってしまいました。カメラまたはレンズへの水滴の混入と思われます。シャッターは切れるので、フォーカスをマニュアルに切り替えて撮影を続行しました。その後、不安定ながらAFが動作するようになってきたので、自然乾燥および接点の清掃で元に戻ると思われます。3月の風塵撮影でもAFの動作不良が発生しているため、撮影後のメンテナンスは欠かせません。

積雲

積乱雲

降水雲

積乱雲

rain foot

寒気の流入は、積乱雲が発達する原因の代表格だ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

最初の積乱雲が通過した後、すぐに後続の積乱雲が近付いて来ました。この積乱雲が圧巻でした。雲の接近とともにアーチ雲の形が明瞭になり、アーチ雲の雲底には回転するウォールクラウド、無降水域にはビーバーテイル、降水域にはテイルクラウド、雲底のあちこちで尾流雲が地上に向かって伸びています。この後、冷気外出流による吹き下ろしの冷風を感じ、ただならぬ雰囲気になったところで防災無線が鳴りました。竜巻注意情報の発表です。一気に緊張感が高まりますが、竜巻やダウンバーストなどの突風は発生しませんでした。この後、日没頃まで雨が続き、19時過ぎには層積雲の隙間に月が見えました。嵐の収束を知らせる合図です。

壁雲

ビーバーテイル

アーチ雲

壁雲

アーチ雲

久々に、北関東スーパーセルを捉えることが出来た。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

当日、東に台風4号から変わった低気圧があり、北関東を通過した寒気トラフとの相互作用で次々に小規模な雷雲が発生したと思われます。突風による被害はなかったようで、梅雨に入ってから少雨傾向の関東内陸部には、いいお湿りだったと思います(茨城県南部で降雹)。



当日のムービー。16倍速表示で雲の流れを映している。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

ムービー後半、防災無線による竜巻注意情報発表のシーンが映っていますが、風切り音に掻き消されて聞き取りづらい状態です。そろそろ外部マイクの導入を考えたほうが良さそうです。

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

写真家・青木豊

Yutaka Aoki
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