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The Storm Chaser

  

2014年5月3日 寒冷前線通過

2014年5月3日午後、寒冷前線の通過により、北日本から東日本で局地的な雷雨や北寄りの風が強まりました。北関東を前線が通過したのは18時頃~20時頃に掛けて、その時間は大気の状態が不安定になり、栃木県南部から茨城県西部にかけて雷雨が発生しています。

寒冷前線

寒冷前線

前線の周辺では積乱雲が発達し、劇的な変化が見られる。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

未舗装の道路や土のグランドなどでは風塵が発生し、最大で5m程度の高さまで塵や埃が舞い上がりました。前線通過後は気温が急降下、昼間は各地で25℃を上回りましたが、20時以降は15℃前後まで下がっています。車に常備しているウィンドブレーカーを着込んでも寒いくらいでした。



寒冷前線通過時には、風向きが急変し、気温が急降下する。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

GW初日の雷雲

2014年4月26日、今日から10連休の方も居るようです。日中は晴れて気温が上がった茨城県ですが、湿った南風と上空の寒気の影響で、局地的に雷雲が発生しています。午前中は県北の山沿いで、昼頃には栃木県益子町から茨城県桜川市付近で、午後には常陸大宮市付近で雷雨が発生しています。写真は桜川市付近を通過中の積乱雲、すでに鉄床の形が崩れ、断片雲が目立ち始めています。衰退期に入っている状態で、数回の遠雷が聞こえた後、呆気無く雲はバラけてしまいました。

短時間で終息する雷雨のことを、Popcorn Convection(ポップコーン対流)と言います。ストームチェイサーのスラングで、ポップコーンの様にあっと言う間に膨らんではじけてしまう、そんな意味で使われます。気象系のスラングを調べてみると、面白いものが数多くあります。

かなとこ雲

晴れていても、雷鳴が聞こえたら危険地帯にいる証拠。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

雲で判断する荒天の前兆

雲底に現れる、奇妙なコブ状の雲を見たことがあるでしょうか?気流が乱れている時に現れる乳房雲(ちぶさぐも/英:Mammatus)です。コブの中には雨や雹が蓄えられており、強い下降気流が発生している証拠でもあります。独特の形状は気流の衝突によって形成されており、雲の中に発生した下降気流が上昇気流の力で持ち上げられている状態、今にもこぼれ落ちそうな滴(下降気流)を下から支えている(上昇気流)と思ってください。下降気流が上昇気流の力を上回り、支えきれなくなったところでコブの形が崩れ、雨や雹が一気に落ちてきます。

アメリカでは「低い位置に現れる乳房雲を見たら丈夫な建物に避難しろ!」と言われるくらい、危険な雲として認識されています。乳房雲が発達して漏斗雲に成長することもあり、竜巻の前兆として恐れられています。日本でも乳房雲の出現は荒天の前触れとされています。大雨、雹、雷、突風などが発生する恐れがあります。

乳房雲

寒気を伴う低気圧の通過時に現れた、層積雲の乳房雲。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

雲頂が垂直に立ち上がる雲が現れることがあります。上空に強い寒気が入り、大気の状態が不安定になった時に現れる塔状雲(とうじょううん/英:Castellanus)です。垂直に立ち上がる形状は上昇気流によって形成され、層積雲や積雲に見られた場合、短時間の間に荒天をもたらします。上空の冷たい空気は密度が高いため重く、地上へ下りてきます。一方、地上付近の暖かい空気は膨張して軽くなり、上へ上へと上昇します。異なる性質の空気がぶつかるところで対流(循環/流れ)が発生し、雨雲を発達させます。その過程で形成される雲が塔状雲です。

発達した積乱雲の降水域と無降水域の境には、ガストフロントによるアーチ雲や塔状雲が見られることが多々あります。それらの雲が通過した後、天気が急変し大荒れになります。アーチ雲と同様に、塔状雲も発達した積乱雲に先駆けてやってくる雲と認識していいと思います。

塔状雲

積乱雲の横に現れた塔状雲、大気の状態が不安定な証拠。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

積乱雲が発達して鉄床(かなとこ)状になると、雲頂部に毛羽立ったような雲、多毛雲(たもううん/英:Capillatus)が現れることがあります。発達を続ける積乱雲が対流圏界面に達すると、複雑な気流や強風の影響のより、雲頂部分が毛羽立ったような雲が形成されます。この状態は、対流圏界面に達してもなお成長を続けている証拠であり、スーパーセルに良く見られる特徴です。このような雲が通過する際には、豪雨、雹、雷、竜巻などの突風が発生することが多くなります。見た目にも迫力があり、空の王者に相応しい威風堂々とした姿です。

通常、積乱雲の寿命は30分~1時間程度ですが、多毛雲が見られるまでに発達すると、2時間近くも勢力を維持することがあります。激しい現象が長時間続くため、道路の冠水や落雷による停電などを引き起こします。直撃されたらなす術がなく、通りすぎるのを待つしかありません。

多毛雲

雲頂には多毛雲が、かなとこの左下には塔状雲が見える。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

写真家・青木豊

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