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The Storm Chaser

  

2011年8月6日のかなとこ雲

2011年8月6日、関東周辺の山沿いで積乱雲が発達しました。特に発達したのは栃木県北部~県央部。気象レーダー画像では、強雨を示す赤い部分が鉤状に分布(フックエコー)していました。16時過ぎにはほぼ終息し、茨城県西部では遠雷の音が聞こえただけで、雨は降りませんでした。

*フックエコー(鉤状エコー)・・・エコー画像、降水の強い部分が鉤状に分布している状態。

雲頂の多毛雲が魚の背ビレのように見えます。上空の風で雲が毛羽立ち、この様な形になります。成長過程で雲頂部に多毛雲が現れるため、多毛雲が見えるのは発達が続いている証拠です。強い上昇気流により、隣接する積雲・雄大積雲を次々と吸収して巨大化する様子は迫力がありました。

かなとこ雲

2011年8月6日 栃木県に激しい雷雨をもたらした、かなとこ雲。© Yutaka Aoki. All rights reserved.



何となくあきらめ切れず、日没後にもう一度撮影に出ました。こちらの熱意が空に伝わったのか、低く垂れ込める雲底が赤く染まるシーンを撮影できました。何となくSFチックで、不気味な空模様です。雷雨終息後も大気の不安定な状態が続いていました。

sunset storm

2011年8月6日 落ちてきそうな低い雲底が不気味に染まる。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*関連記事 「雄大雲と積乱雲」 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/18/
*関連記事 「スーパーセル - Supercell」 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/13/

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

台風6号接近中 - Ma-on

2011年7月19日、台風6号が接近中。暖かく湿った空気が流れ込み、関東でも雨雲が発達しました。朝から雷鳴が聞こえたため、朝食も摂らず、髭も剃らず、時間が許す限り撮影をしてきました。南西方向から次々と対流雲が流れてきます。稲光は見えませんが雷鳴は引っ切り無しに聞こえます。まだ台風本体の影響はなく、7月19日午前7時の時点で南東の風3m/sでした。

アーチ雲先端の渦

2011年7月19日、アーチ雲先端に発生した渦。気流が不安定。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

アーチ雲の先端部分ではこぶ状の雲が渦を巻いていました。漏斗雲と判断できるか否か微妙なところですが、こぶの周辺で断片雲が不規則に動いていました。



こちらが「アーチ雲」です。ガストフロントが発生した際に、前線の最前面に形成される雲です。アーチ雲にも種類があり、ボーダー状に雲が重なっているものをシェルフクラウド(棚雲)と呼び、ねじりん棒の様な形をしているものをロールクラウド(ロール雲)と呼びます。下の写真は棚雲です。

*関連時期 「ガストフロント - Gust Front」 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/7/

アーチ雲

2011年7月19日、アーチ雲通過時には急に風雨が強まる。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

シェルフクラウド(棚雲)は寒冷前線最前面に形成され、積乱雲の雲底に付随する副変種です。一方、ロールクラウド(ロール雲)は、海風と陸風の衝突により形成され、沿岸部に現れます。早朝に現れることが多いため、モーニンググローリーとも呼ばれています。



台風接近に伴い、局地現象が発生する恐れがあります。1999年9月24日に愛知県豊橋市で発生したF3の竜巻は、台風18号の接近に伴い発生しています。当日、豊橋市、豊川市にて、合計4個の竜巻が発生し、多数の被害を出しています。

*関連記事 「国内最大級はF3」 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/2/

大雨

2011年7月19日、強弱をつけて断続的に降り続く雨。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

地元筑西市では朝から断続的に雨が降り続き、15時30分に土砂災害警戒情報が発表されました。17時20分に解除されましたが、現在も雨が降り続いており、引き続き警戒が必要の様です。直撃しないからと油断は禁物。台風外側の雲が掛かっただけでも、大きな被害が予想されます。常に最新の情報を得て、接近に備えたいですね。下記のリンクを活用してください。

*気象庁 台風情報 http://www.jma.go.jp/jp/typh/110624.html(外部リンク)
*米海軍研究所 海洋気象学部門 http://www.nrlmry.navy.mil/TC.html(外部リンク)

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

2011年7月15日の月光環

2011年7月15日、20時半頃のことです。ふと窓の外を見ると月が赤い、外に出て月を見上げてみると、ぼんやりと光の環で出ています。もしやと思い、三脚にカメラをセット、見ている間に光の環がハッキリしてきて、月光環になりました。光環(コロナ)自体は珍しい現象ではありませんが、タイミング良く満月と重なることは稀です。やはり、写真的にはまん丸お月様の方がムードがありますからね。

月光環

2011年7月15日、僅か5分程度で消えてしまった月光環。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

光環は太陽や月にうす雲が掛かった時に現れる光の環で、光の回析(回り込み)により現れます。春先の風が強い日、スギ花粉や黄砂が大量に飛散している時にも、同じ様な現象が起こります。太陽に現れる環を日光環、月に現れる環を月光環と言います。暈(ハロ)とは似て非なるもので、暈は光の屈折(折れ曲がる)、光環は光の回析です。

日光環の場合、同じ光の回折で現れる彩雲が同時に見られることも多々あります。彩雲は太陽の近くを通る雲が、赤・緑・紫などに色付く現象であり、古くから吉兆とされています。



実はこの月光環、デジタルカメラが最も苦手とする被写体のひとつです。光環部分の微妙なグラデーションがなかなか綺麗に出ず、輪郭が変に浮き出てしまったり、月の色を綺麗にと思うと光環が目立たず、光環の色を綺麗にと思うと月が色飛びしてしまいます。両立するにはダイナミックレンジを拡張する以外に方法はありません。幸い、2~3年以内に発売されたデジタル一眼レフならダイナミックレンジ拡張機能が付いています。RAW現像時にダイナミックレンジを拡張しても同様の結果が得られます(JPGはダメ)。

これまでHDR処理をするには、露出を変えた複数枚の画像を合成する必要がありましたが、月は約4分で直径分の距離を移動します。複数枚を撮影しようと思うと当然ズレが生じてしまいます。ワタシが愛用しているSILKYPIX Developer Studio Pro5なら、1枚の画像でHDR処理が可能です。気象・局地現象は常に動いている上、短時間に終息してしまうことがほとんどで、撮影中に細部を気にしている余裕はありません。RAWで撮って、後処理するのが常套手段です。

SILKYPIX Official Website http://www.isl.co.jp/SILKYPIX/japanese/

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

写真家・青木豊

Yutaka Aoki
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