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The Storm Chaser

  

2013年3月10日の花粉光冠

2013年3月10日、数日季節外れの暖かな日が続き、大量の花粉が飛散しました。この日は日本海を低気圧が進み、午後になって関東地方を寒冷前線が通過しました。前線が通過する前後に風が強まり、風で巻き上げられた塵や埃で視程を遮られる煙霧も発生しています。各地で風塵が発生しているのため、その影響と思われます。ニュース等でも取り上げられていますが、北関東では特に珍しくもない春の風物詩です。

煙霧から逆上ること約2時間、大量の花粉が薄雲のかわりになり、太陽光が回折して光の輪が現れる花粉光冠が現れました。光冠は大気光象のひとつであり、英語ではコロナ(Corona)と呼ばれます。薄雲以外にも、花粉、黄砂、風塵、火山灰など、微粒子が空気中に滞留することで発生します。暈(ハロ)とは似て非なる現象であり、光冠は光の回折、暈は光の屈折により発生します。ここ数日、毎日のように花粉光冠が観測出来ましたが、この日が最もハッキリとした虹模様が出ていました。光冠自体は珍しい現象ではありませんが、ここまで美しい光冠は年に数回しか見られません。花粉症のワタシには厄介な存在ですけどね。

花粉光冠

花粉光冠

2013年3月10日、花粉の大量飛散により現れた花粉光冠。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

写真は背面液晶を見ながらライブビュー撮影しています。太陽を光学ファインダーで覗くと、目を傷める恐れがあります。ご注意下さい。

*関連記事・・・凄まじい風塵 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/68/
*関連記事・・・2011年7月15日の月光環 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/20/

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

凄まじい風塵

2013年3月2日、関東では前日に2年振りの春一番が吹いて気温が上がりましたが、一転して今日は冬型の気圧配置が強まり、西寄りの冷たい風が吹き荒れました。茨城県筑西市では15時に最大瞬間風速22.4m/sを観測しています。前夜に雨が降ったものの、昼近くなると地面が乾き、田園地帯では風塵が発生しました。風塵とともに塵旋風もあちこちで発生し、巻き上げられた土煙で数10m先も見えないような状況でした。風塵は春塵(しゅんじん)とも呼ばれ、春の季語になっています。春の風物詩とはいえ、少々厄介な現象です。

風塵

2013年3月2日、土埃が空気中に滞留して黄色く霞む。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

黄砂、火山灰、花粉などの飛散予測情報はありますが、風塵・塵旋風に関してはこれと言った情報がありません。発生が局地的で、風向きや乾燥の度合いにも影響されるため、監視・予測できないのが現状だと思います。風塵は黄砂や火山灰と同じく、大気塵象に分類されています。塵旋風は突風の一種として分類されており、英語ではDust Devil(ダストデビル)と呼ばれます。強度的にはF0にも満たず、直撃されても埃まみれになる程度です。

塵旋風

砂塵嵐

砂塵嵐

2013年3月2日、凄まじい風塵により視界を奪われる。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

撮影中はゴーグル、防塵マスク、ニットキャップで防御、それでも鼻や耳にまで埃が侵入してきます。体質により、呼吸器などの健康に影響することもあるので、要注意です。風塵の厄介なところは、家の中にも入ってくることです。我が家でも北側の窓枠周辺は土埃でザクザクです。駐車中の車も同様です。厄介な風塵ですが、被写体として見ると迫力があるので、悩ましい現象と言えるかもしれません。撮影機材の故障の原因にもなるため、撮影後のメンテナンスは念入りに行います。



21~25秒に右から画面を横切る塵旋風が映っている。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

3月は、冬の空気と春の空気が日本の上空で鬩ぎ合いをしている時期です。三寒四温とも言われるように、寒さと暖かさが交互にやって来ます。強い風も冬と春の鬩ぎ合いから生じています。2日から3日に掛けて、北海道で低気圧が発達し暴風雪をもたらしました。札幌管区気象台は、より具体的な警戒を呼び掛けるなど、改善点の検討をすることにしたそうです。

*関連記事・・・2013年2月24日の風塵 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/67/
*関連記事・・・ビルの谷間でつむじ風 http://tornado.blog.shinobi.jp/Entry/56/
*高画質版の動画・・・Blowing Dust https://vimeo.com/61143531

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

2013年2月24日の風塵

今シーズン1発目のストームチェイスは、「風塵(ふうじん)」です。2013年2月23日から24日にかけて、いわゆる西高東低、冬型の気圧配置が強まり季節風(北西風)が吹き荒れました。日本海側では大荒れで、青森県の酸ヶ湯では2月24日15時の積雪が521cmとなっています。

北関東でも乾いた強風が吹き、茨城県筑西市では14時20分に最大瞬間風速21.4m/sの非常に強い風を観測しています。風速15m/sを超えると、風に向かって歩く時に前傾姿勢をとらないとバランスを崩して転倒することがあります。田畑の広がる地域では、強い風に巻き上げられた土埃で視程を遮られる風塵が発生しています。ある意味、風塵や塵旋風はこの時期の風物詩、冬から春になる頃に良く見られる現象です。これから三寒四温を経て、春がやってくるのでしょう。

*風塵(ふうじん)・・・強風で巻き上げられた塵や埃が空気中に滞留し、黄色く霞んで見える。



撮影時はゴーグルと防塵マスクを使用していますが、それでもちょっとした隙間から土埃が侵入してきます。口の中や鼻の穴は埃まみれ、カメラも同様で、バッテリー室にまで埃が侵入していました。このような状況でデジタル機器を使うのは勇気が要ります。故障の原因にならないように、ブロアで埃を飛ばした後、カメラクロスで隅々まで拭き取ってやりました。

栃木県宇都宮市では、塵旋風の発生により駐車中の車のガラスが割れるなど、車9台に被害が出ています。塵旋風(つむじ風)は地表付近で発生する上昇気流の渦で、強い横風が加わると塵や埃を巻き上げて上空数10mまで立ち上がり、稀に被害をもたらすことがあります。

風塵

2013年2月24日、強風で巻き上げられた土埃で風塵が発生。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

風塵

2013年2月24日、道路を横切る風塵。住宅地にも迫る土埃。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

*当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

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