2014年4月4日午後、寒気を伴う気圧の谷の通過により、関東地方を中心に荒れた空模様になりました。東京都、千葉県、埼玉県、栃木県、茨城県で竜巻注意情報が発表され、埼玉県さいたま市では突風被害が、栃木県宇都宮市では降雹が観測されています。地元の茨城県筑西市でも、市内の一部で積もるほどの降雹がありました。
この日は昼過ぎから日没まで、茨城県と栃木県の県境を跨いで追跡を行いました。雨を避けながら移動を繰り返し、行く先々でダイナミックな雲の動きを見ることができました。15時を境に南寄りの風から北寄りの風に変わり、気温も急降下しています。風も強く、体感的には真冬の寒さと同等に感じました。夜になると西高東低の気圧配置になり、西寄りの風が強まりました。地元、茨城県筑西市では4日23時過ぎに最大瞬間風速16.2m/s(西)を観測しています。
4月4日は積乱雲が効率よく発達する条件が揃っていた。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
嵐が続く中、様々な現象を見ることができました。落雷、ガストフロント、漏斗雲、乳房雲、反薄明光線(裏後光)、虹など、1日でこれだけ多くの現象が見られることは滅多にありません。昨年も同時期に(13年4月7日)、低気圧の通過後、西から寒気が流れ込み、荒れた空模様になったことがあります。4月~5月頃は日本列島の上空で冬の空気と春の空気がせめぎ合っている状態で、積乱雲が発達しやすい時期でもあります。行楽シーズン、インターネットの気象情報などを活用し、常に最新の情報を得ておきたいものです。
日没近くなっても春嵐は止まず、荒れた空模様が続いた。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
ガストフロントと反薄明光線の共演、レアな組み合わせ。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
この日一番の収穫は、ガストフロントによるアーチ雲と反薄明光線の共演です。個々に見たことはあっても、同時に見たのは今回が初めてです。収穫の多い春嵐でした。
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