師走に入り、今年も残り1ヶ月を切りました。1年の締めくくりに、2013年シーズンの総括を、数回に分けてお届けします。第1回は冬から早春、南岸低気圧による関東の大雪と、首都圏で発生した煙霧騒動の元である北関東の風塵・砂塵嵐を振り返ります。
13年1月14日、南岸低気圧の影響により東京都心で8cm、横浜で13cmの積雪を記録しました。豪雪地帯に比べれば微々たるものですが、そもそも関東の雪は性質が違うため、わずか数cmの積雪でも交通機関に大混乱をもたらします。関東の雪は水分を多く含んでいるため、凍結しやすく非常に厄介です。ひとたび凍結すれば道路も鉄道も大混乱、都市の機能が完全に麻痺します。僅かな気温差で雪になるか雨になるかが分かれるため、予報が外れることも珍しくなく、常に最新の情報を入手しながら自分で判断することが重要になってきます。
1月14日の大雪で、首都圏の交通機関は完全に麻痺した。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
13年3月10日、首都圏で砂塵による視程障害、煙霧が発生しました。黄砂、それともPM2.5か!?そんな混乱を招いた原因は北関東の風塵です。煙霧とは風により他所で巻き上げられた塵や埃が空気中に滞留している状態。一方、風塵は風で塵や埃が巻き上がり視程を遮られる現象です。激しい風塵により視程1km以下になった場合には、砂塵嵐と呼びます。早春の北関東は雨が少なくカラカラに乾燥しています。この時期、日本海を低気圧が進むと関東では風が強まります。その風で田畑の乾燥した土や砂が巻き上がり、風に乗って首都圏方面にまで流れていくのです。北関東の風塵や塵旋風(つむじ風)は春の風物詩、春一番と共にやって来る厄介な現象です。屋外はもちろんのこと室内にまで砂塵が入り込み、掃除に追われる日々が続きます。
13年3月13日、猛烈な風塵と砂塵嵐
http://www.youtube.com/watch?v=L3FRHQuWaXw13年3月2日、凄まじい風塵
http://www.youtube.com/watch?v=5SHa2of3jq4 ここまで酷い時は、風塵でなく砂塵嵐と呼んでいいだろう。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
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