2013年シーズン総括、第2回は春から梅雨、爆弾低気圧の通過後に出現したスーパーセルと、梅雨の最中に出現したスーパーセルを振り返ります。
13年4月6~7日に掛けて、本州を爆弾低気圧が通過しました。低気圧の通過後には西から寒気が入り、大気の状態が不安定になりました。7日昼過ぎには北関東に活発な線状降水帯、ラインエコーが見られ、13時過ぎには茨城県に竜巻注意情報が発表されました。地元筑西市では僅かな時間で10℃以上も気温が下がり、最大瞬間風速は20m/s超、撮影機材が三脚ごと転倒するような強風が吹き荒れました。空を覆い尽くす巨大な積乱雲は、もの凄い威圧感でした。
一部マスコミや気象関係者の間では、爆弾低気圧に代わる呼称として猛烈低気圧と呼ぶ動きがありますが、一般に浸透している呼称を今更代える必要があるのか、いささか疑問を感じます。気象関係者と一般の人々の間には、少なからずギャップがあるようです。
爆弾低気圧・春の嵐総集編
https://www.youtube.com/watch?v=hfUUNPUzNLs13年4月26日、ガストフロント発生
http://www.youtube.com/watch?v=k_-B-3uJfyY パノラマ写真、筑波山と低く垂れ込める積乱雲の雲底。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
13年6月22日、上空に流れ込んだ寒気と、日射による昇温の影響で、北関東を中心に不安定な空模様になりました。午後になると積乱雲が発達し、四方八方どこを見ても積乱雲という状態に。北関東3県、千葉県、埼玉県には竜巻注意情報が発表されました。ひときわ大きな積乱雲に、周囲の積雲が次々に吸収されていく様子は見ていて恐怖を感じるほどでした。当日、東に台風4号から変わった低気圧があり、北関東を通過した寒気トラフとの相互作用で次々に雷雲が発生したと思われます。積乱雲がいくつも通過し、追跡は5時間を超えました。
5月29日に平年よりも10日早く梅雨入りした関東甲信地方ですが、関東の内陸部では少雨傾向が続き、ストームチェイサー泣かせの空梅雨になりました。
13年6月22日、北関東の雷雨
https://www.youtube.com/watch?v=cQ8hP02yTEE パノラマ写真、積乱雲の雲底より伸びるビーバーテイル。© Yutaka Aoki. All rights reserved.
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