アーチ雲とKH波 2014年5月22日

2014年5月22日午後、上空の寒気の影響で南関東を中心に荒れた天気になりました。東京、神奈川、千葉では午前中より激しい雷雨になり、一部では雹も観測されています。上記3県では竜巻注意情報も発表され、夜の初め頃まで不安定な空模様が続きました。















ケルビンヘルムホルツ波による波雲、出現頻度は低い。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

一方、北関東では昼過ぎから小さな雨雲がいくつも通過し、夕方にかけて雷雲が発生しました。夕立レベルの弱い雷雲でしたが、雲底にはアーチ雲も見られました。そして、雷雲とは反対側の東の空にはロール状層積雲（ロール雲）が現れ、雲頂にはケルビンヘルムホルツ波（以下KH波）による波雲が現れました。KH波による波雲は年に数回程度しか見られないレアな雲ですが、今回は長時間見えていたため動画の撮影も成功しました。



映画.comにて、この夏公開予定の竜巻を題材にした映画「イントゥ・ザ・ストーム」に寄せた私のコメントが掲載されています。気象好きな方は勿論のこと、エンターテイメントとして楽しめる作品になっています。詳しい情報は映画.comをご覧ください。

映画.com http://eiga.com/news/20140523/8/ （外部リンク）

＊当サイト内で使用している写真は全て管理人自身による撮影です。写真の無断転用は厳禁です。

追跡！上空寒気による積乱雲

2014年5月16日午後、上空の寒気と昇温により茨城県全域で積乱雲が発達しました。県北部では激しい雷雨となり、15時16分に竜巻注意情報が発表されました。県南部でもスポット的に積乱雲が発達、短時間にザッと雨が降り、一部で落雷も観測されました。13時過ぎから14時頃にかけて南風が強まり、県南部では最大瞬間風速15m/s前後の風が吹きました。









夕方以降は北日本で低気圧が発達、西高東低の気圧配置になり西寄りの風が強まりました。地元、茨城県筑西市の最大瞬間風速は17.3m/s（西/22:40分）でした。宮城県仙台市では最大瞬間風速27.1m/s（西/15:14分）を観測し、トタン屋根がはがれるなどの被害も出ています。



茨城県全域で正午を境に天気が急変、積乱雲が発達した。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

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寒冷渦による荒天 2014年5月9日

2014年5月9日午後、日本海を東進した寒冷渦に向かって暖かく湿った南東風が吹き込み、関東甲信地方で不安定な空模様になりました。関東地方のほぼ全域で、落雷や最大瞬間風速20m/sを超える強風が吹き荒れました。東京や宇都宮などで降雹、茨城県内では落雷による停電、強風による風塵が観測されたところもありました。



地元周辺は14時半～15時頃が荒天のピークでした。追跡中にアーチ雲を発見し、雲の真下に突入。通過中は最大瞬間風速20m/s前後の状態が15分～20分程度続きました。気温も10℃近く急降下、車に常備しているウィンドブレーカーを着込みましたが、それでも震えが来るほどの寒さでした。16時前には積乱雲が東に抜け、何ごともなかったような青空が広がりました。

この日の追跡の様子は、NHKニュース おはよう日本「竜巻を監視せよ」で放送されました。NHKのHPにも掲載されています。特集まるごと「竜巻を監視せよ」（外部リンク）。









マーブル模様の雲は、激しい対流が起こっている証拠。© Yutaka Aoki. All rights reserved.

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